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メキシコ⑨ソカロ周辺 [見学]

1月にいったメキシコの話の続きです。
ちなみに過去のメキシコの話はこちらから
メキシコ①~⑧

建築家の手掛けたものは勿論、色々な感性を与えてくれるけれど、
かならずしもそういった建築ばかりがよいわけでもありません。
メキシコシティの中心部ソカロ広場周辺も歴史性のあるとてもよい場所です。

テンプロ・マヨール
かつてのアステカ帝国の中心地だった場所です。

1913年の工事中に、神殿の基底部などが発掘されたそう。
スペインが大航海時代に侵略してきてから埋め立てられ、
カテドラル等が新たに築かれたそう。

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カテドラル
1513年に着工され、なんと完成したのが1818年とのことなので
300年以上建設に期間がかかっています。
スペインのメキシコ侵攻にあたり、キリスト教布教が戦略の1つだったとか。

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国立宮殿
カテドラルと共に、16世紀、元々あったテンプロ・マヨール(アステカの宮殿)を壊し
その後に植民地の本拠となる副王の宮殿を建てたのがこの建築です。
リベラの壮大な壁画が印象的。

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宮殿中央部は非常にととのった中庭形式の広場になっていて、
すがすがしく明確な場所になっています。

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メキシコ⑧バラガン [見学]

メキシコに行ってバラガンの建築に実際足を運ばない手はないでしょうということで、
多分に漏れず行ってきました。

スケジュールが許すのであればメキシコシティ郊外にあるサテライト・タワーなど
諸建築にも行ってみたかったですが、
残念ながら今回訪れたのは、バラガン邸、ヒラルディ邸、トゥラルパンの礼拝堂の3つ。
基本的にどの建築も要予約で、ネット予約が出来ないものもあり中々ハードルが高いです。


まず訪れたのがトゥラルパンの礼拝堂。
残念ながら基本的には内部の写真撮影がNGなので外観のみです。
外観は抑揚がある開口と目がいく木製の扉のみで、知らないと通りすぎてしまいそうです。

内部に関しては施設全てではないのですが、ひととおりの場所をシスターが
解説をしてくれながら案内してくれます。
バラガンは敬虔なクリスチャンで、この礼拝堂のために私費も投じていたとか。

礼拝堂の身廊空間の光の入り方は圧倒的、久々に心に震える空間に出会いました。
まさに足を運ばなければ体験できないという感覚。

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次に訪れたのがバラガン自邸。

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2004年に世界遺産登録がされました。下の写真は外壁につけられた世界遺産登録のプレート。
近代に設計された1つの住宅が世界遺産登録されるというのは考えてみるととてもすごいことです。

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1988年に亡くなるまでの後半生をバラガンはこの自宅で過ごしたそうです。
現在はバラガン財団の本部になっています。
残念ながらこちらも内部は撮影禁止。

バラガンが生活していたそのままの息吹を感じさせながら、インテリアや小物まで保存されています。
日本の庭園に関する書籍なども棚に所蔵されていました。

バラガンは『建築において探求すべきはエッセンスであってフォルムではない』と述べています。
この建築もメリハリの効いた情感ある空間だと感じました。
どの場所もとても丁寧につくりこまれています。

特に裏庭とそのまわりの諸室の設えは非常に印象的でした。
天井高さの抑揚もだいぶ与える印象が変わるものだなと感じました。


最後に訪れたのがヒラルディ邸。
現在でもヒラルディ氏の家族が実際にこの建築で生活しています。

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一見すると外観は、とても派手なように見えますが、自然とメキシコでは違和感を感じません。
同じ色がそこかしこに使われているということもありますし
、気候や草花、人々の雰囲気がそうさせているのかもしれません。

この建築でやはり一番有名なのは内部のプール。
残念ながら写真が紹介できませんが、果たして眼前にあるのは実空間なのか、
ビジュアライズされた何かなのか、夢現というような心持です。
バラガンは、小物1つにしてもその置場所にこだわったのだとか。



バラガンは孤独を愛した人だったとも言われています。
同じく氏の『エッセンスを感じさせない建築は、
ファッションとおなじようなもの』という言葉が心にずしりと響きます。


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メキシコ⑦ [見学]

まだまだご紹介する場所がいくつもあるメキシコですが、

今日はテオティワカンをご紹介

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テオティワカンはメキシコシティ近郊にある紀元前2世紀から6世紀まで栄えたテオティワカン文明の宗教都市遺跡です。

太陽のピラミッドと月のピラミッドが有名ですが、実際に現地にいくとこれだけのものをつくった技術力にただただ圧倒されてしまいます。

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遺跡は月のピラミッドを正面に据え中心軸が通っています。

丹下さんの都市計画を思い出したりもしますが、

正面に大仰なピラミッド。それを見上げる民衆、上から見下ろす権力者、宗教者。

この建築・都市の構成だけで権威的な関係が自然と成立してしまうだけの力があると感じました。

ついつい、この都市が生きていた当時のことに思いを巡らせてしまいます。



かつてはどうなのかわかりませんが、現在いくとこの軸線上にいちいち結構な段差の階段が…

上の写真をみてもわかると思いますが、結構歩くのでそれだけで耐力が奪われていきます。

そこかしこにはお土産を売っている現地の方が声をかけてきます。


部分的には角度45度以上あるのではと思われる階段も。

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もちろん踊り場なし。手摺なし。転げ落ちらら最後。かなり危険です。


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メキシコ⑥ [見学]

メキシコについてその⑥です。

これまでもいくつかメキシコの近現代建築についてご紹介してきましたが、

やはり一番先に思い浮かぶのは、バラガンの建築とキャンデラの建築ではないかなと思います。

そんな中、今回はいくつかまわったキャンデラの建築をご紹介。

フェリックス・キャンデラ 1910-1997年

写真をみてもらうと一目瞭然かと思いますが、HPシェルをつかった曲面の大胆な建築が特徴です。

教会建築なども非常に多く手掛けているため、比較的敷居は低く見学することが可能です。

どれも一度では中々咀嚼することができない建築。じっくりとなんどでも足を運びたくなるような場所ばかりです。



サン・アントニオ・デ・ラス・ウェルタス教会 1956年

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サン・ビセンテ・デ・パウル礼拝堂 1959年

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ヌエストラ・セニョーラ・デ・ラ・ソレダ礼拝堂 1953年

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イグレシア・ミラグローサ教会 1953年

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キャンデラリア地下鉄駅 1967年

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メキシコ⑤ [見学]

メキシコは建築の宝庫。
バラガン以外にも多くの魅力ある建築が存在します。

そのひとつがファン オゴルマンの建築。

昔、ワタリウム美術館でディエゴ・リベラとフリーダ・カ―ロの家についての企画展があり、

頭の片隅に、メキシコにいったらぜひこの建築を訪れなければと思っていました。

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最寄りのメトロから遠く、非常にアバウトな地図だけを頼りにこの道であっているのかと不安になりながら、

なんとかたどり着くことができました。

(後日、メキシコに詳しい友人にその話をすると、あの場所にたどり着けたらもうどこにでも行けるよと太鼓判も頂き)



カ―ロ、リベラ、オゴルマンの三人が関わり出来た住宅というだけで、すでに歴史に残る建築ですが、

近代モダニズム建築を踏襲しながら、メキシコらしい生命力に溢れた色使い、

カ―ロとリベラそれぞれの二人の関係と2つの建築の関連性をどうとらえながらこの建築に臨むかなど

実際に足を運び得るところが多かったです。

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ちなみに世界遺産にも登録されているメキシコ国立自治大学キャンパス内のタイル壁画もオゴルマンの手によるものだったりします。
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メキシコ④ [見学]

少し建築の紹介ばかりつづいたので体験した限りですがメキシコ(主にメキシコシティ)の状況を
備忘録的に書きだしてみます。(あくまでも私が見、感じたことなので、あしからず)

しかし、日本では大雪、ついこの間までのメキシコとのギャップを感じずにはいられません。

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・道路は歩行者優先ではない、基本自己責任。道路の横断も横断歩道というよりは、目視で確認をし、道をどこでも横断する感じです。

・バスが手を挙げたところで停まってくれる。

・格差が日本よりある。総国民中流階級の日本と比べるのもどうかという話ですが、メトロの中や街中で小物などを手売りする人々がいる一方、そうではない裕福な人がいたりもします。

・美術館などでも基本、撮影はOKが新鮮。バックなどは原則預けることとなっているようです。(スーパーマーケットでもリュックなどは預けなさいといわれました)

・物価が日本では考えにくい位のスピードで値上がりしている(インフレ)。以前はメトロ一回乗るのに2ペソだったのが3ペソに、そして最近5ペソにとなんと2.5倍の金額に。

・比較的あたたかい気候が一年中続くのでエアコンなど空調を必要としない。

・タクシーが適当。それなりのホテルでタクシーを呼んでもらったのですが、白タク?これは知り合いのおじさんかというような方と車が登場しました。

・全体的におおらか。日本はなんでもかんでもきちんとしすぎ。メキシコのおおらかさをみていたらどんな状況になっても生きていけるという力強さを感じました。


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メキシコ③ [見学]

更にメキシコ続きです。

知人に紹介され、メキシコの富豪カルロス・スリム・ヘルのコレクションを所蔵する

ソウマヤ美術館(Museo Soumaya)へ行きました。

設計は、フェルナンド・ロメロ、開館は2011年、入場料は無料です。

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外観は非常に彫刻のような形状。

再開発エリアなのか、多くの高層ビルなどが建っている場所なのですが、

それでもこの建築だけは良くも悪くもまるでCGの画を目の前にしているような感覚に陥ります。

内部は、スロープ状の動線をぐるぐると頂上階まで歩いていく形です。




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この建築の向かい側には、昨年末にオープンしたばかりという

チッパーフィールドが設計したMuseo jumexもあります。

こちらは、ソウマヤ美術館とはまた一転、なんとも上品な建築です。


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メキシコ② [見学]

先日行ってきたメキシコについてのご紹介

まずは建築から。

死ぬまでに一度はいってみたいと言われる図書館、

アルベルト・カラチのVasconcelos Library。

宿の近くにあったので訪問してみました。

(またブログに書くかもしれませんが、縁あって後日、カラチの事務所も訪問させてもらうことに)

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外観

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エントランス近く

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内部①

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内部②

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内部③

※写真は、正式な許可を得て撮影しています



内部の本棚の存在感は圧倒的、

書架配置及びその収納量をどうするのかというのは、

図書館建築のひとつの大きなテーマだと思うので、

実にうまいこと構成されているなと思います。

法規制も絡みますが、果たして日本で同じような大胆なことができるかと考えてしまいました。


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メキシコにいってきました [見学]

先日まで、メキシコに行ってきました。

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久々の海外、メキシコははじめてです。

色々な人々に出会い、言葉や文化に触れ、建築を多く経験し

大いに刺激を受けてきました。

バラガンやキャンデラの建築もいくつか体験。

また、回を追って色々とご紹介したいと思います。
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京都国際会館 [見学]

御無沙汰しています。結構間が空いてしまいましたが、

決して何もしていなかったわけではなく。今年は近年まれに見るくらい

あちこち飛び回っていました。

そんな流れで先日久々に京都に行ってきました。

紅葉のピークだっただけに、ものすごい人かと思いきや、案外市内の道は空いていたような気もします。

(紅葉スポット周辺はきっと大混雑だったと思いますが)

今回の京都行きはちょうど幾つかの用事がタイミングよく重なったのですが、

そのひとつにお世話になっている構造家の方の講演会などがあり久々に京都国際会館に行きました。

京都国際会館は建築家の大谷幸夫氏の設計、竣工は1966年です。

日本を代表する国際的な会議施設の1つなので、よくニュースなどで目にする方も多いのではないでしょうか。

空き時間に、中々見学することができない、内部のホールなどもガイド付きでじっくり見学することができました。

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国際会議場なので、メインの会議場はことさら広く、通訳のブースがあったりもします。

ある意味、宗教施設に近い荘厳さがあります。

隅々まで洗練されたディテール。どの部屋も見逃すところがまったくありません。
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